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「極上コラム」~土留め「擁壁」~②

投稿日 2014年10月10日

第5回コラム~土留め「擁壁」~の続きを今回お送りいたします
前回は土留め擁壁全般について解説しておりましたが、
今回は現在最も普及の多い「RC擁壁(鉄筋コンクリート擁壁)」
について解説となります。
コンクリートと鉄筋の性質関係などRC擁壁の倒壊対策などのコラムです。

それでは、宜しくお願いします

こんにちは、田口 進です。
今回はRC擁壁に焦点を当てて解説していくことにしましょう。
RC擁壁とは、
Reinforced-Concrete(補強されたコンクリート)の略です。
つまり、鉄筋で補強されたコンクリート構造の土留め壁のことです。

【コンクリートと鉄筋の性質】
では、コンクリートと鉄筋の性質とはどのような関係にあるのか。
コンクリートの性質は、
圧縮する力に強く、引っ張りに弱い
鉄筋の性質は、
圧縮する力に弱く、引っ張りに強い
つまり、コンクリートと鉄筋を組み合わせることで、
互いの弱点を補完することで強度を保つ構造になります。

図解A
コンクリートと鉄筋
①のように両端に支えをし、コンクリートだけでできた板を置く。
②その板の上から荷重を加えると「たわみ」が生じて、
  下部が両端に向かって引張する力が発生。
③引っ張りが生じる箇所に破壊がみられるようになります。
④そのため、引張力が働く箇所に鉄筋を配して破壊を防ぐ。

上記の強度上の性質のほか
コンクリートと鉄の付着度、膨張率、
コンクリートに含まれるセメントのアルカリ性質が鉄の酸化(錆)を
抑制する(但し、年月によりアルカリ成分は弱まる)。
などコンクリートと鉄は互いの性能を高め合うという点で、
非常に相性の良い材料なのです。

【RC擁壁の倒壊対策】
RC擁壁は土留めの高さによって強度のある構造体になるように
あらかじめ構造計算がされています。

新設RC擁壁に対しては、以下のような倒壊対策がされた上で、
設計されます。

図解②
転倒
図解③
沈下
図M「転倒」、図解O「沈下」のような倒壊対策として、
図N、図Pのように偏芯基礎を土留め高さに合わせて、
設計される。

図解④
滑動
図Q「滑動」の恐れがある地盤の対策は、図Rのように滑りを防止
する突起を基礎に含めてを設計する。

【RC擁壁の排水】
土が水を含むと粒子間の摩擦が少なくなり、土圧が大きくなる。
つまり擁壁を押す力が強くなります。
それを防ぐために土内部の排水をする必要があります。
図解⑤[土を積む]
土圧
図Sのように土を積むと必ず崩れようとする横への力と下への重力がかかります。

図解⑥[水を含む]
RC土圧
図Tのように土が水を含まない乾燥状態であれば、矢印方向の土圧も
あまり大きくありませんが、
図Uのように雨が降り土が水を含むと土圧が増し、擁壁にのしかかる
ようになります。

図解⑦[土圧軽減のための対策]
RC排水
図Vのように、土が水を含むと粒動化し土圧が大きくなります。
その土圧を小さくするには、土に含まれた水を排水しなければなりません。

図Wは水を排出するために透水層(栗石層)をつくる。水抜き下穴高さ
に底盤コンクリート層をつくるなどの対策がなされます。
こうすることで、排水穴に詰まることなく水がチョロチョロと流れるように
水抜き穴から排水されるようになります。
水抜き穴の数にも宅地造成の基準法で規定があり、擁壁面積の3平米
につき1箇所以上が必要とされます。

石積みの擁壁がつくられはじめた歴史からより安全性の高い擁壁
としてRC擁壁が普及する時代、これからも人が安心して暮らすこと
ができるための構造物が追求され続けるでしょう。

田口顧問ありがとうございました。
以上で第5回極上コラム~土留め擁壁~はおしまいです
人が安心して暮らすための擁壁、弊社RC擁壁施工例は
コチラ「打ちっ放しコンクリート擁壁で造る増設縦列ガレージ」

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