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「極上コラム」~土留め「擁壁」~

投稿日 2014年5月23日

~「極上コラム」第5回目~

擁壁とは土を留める際、造る構造物です。
土地が道路面や隣地から上がっている場合、施工が必要になってきます。
新築工事だけでなく、ガレージの拡張などでも外構工事の範疇にありますので、ご相談も多いのですが、今回は田口顧問より分かりやすく解説して頂きます。


こんにちは、田口 進です。
では、今回のコラムは「土留め擁壁」に関して全2回の解説でお届けしていきます。
まずは、こちらの図をご覧下さい。
安息角
上図のように盛り上げた土山は、そのまま長年おいておくと雨水などで崩れてきます。
これは切り土でも同じです。
土の崩れが発生し、もうこれ以上は崩れないと安定した角度が「安息角」です。
土質にもより差がありますが、この安息角は一般的に30°と言われます。地表面が水平に対して30°を越えて傾斜する土地は「崖(がけ)」とよばれる訳です。

最近、残土処分業者の違法に積み上げた残土つまり人工的につくられた崖が崩れて近隣住民の方々に多大な不安を与えているという非常に残念なニュースが報道されました。

人が安心して暮らすための人工構造物それが「擁壁」です。
土留工作物上図のように、安息角以上のがけ面は植物や人工物で保護する必要があります。
それほど角度がきつくない法面(傾斜面のこと)には植栽をして根で土を締めるようなこともします。
植栽が育てば土が崩れる心配がなくなりますが、傾斜が急すぎると難が出てきます。
法面植栽は活用できる有効土地が減るという面もありますが、活用しないまたはできないような場所であれば、擁壁を造作するのに比べて費用的には断然抑えられるので、これは場合によるでしょう。
今回はあくまでも擁壁の解説ですので、そちらでお話を進めるとしましょう。

次に擁壁の種類と特徴です。
①間知石・間知ブロック積み
間知
=間知擁壁は有効活用土地が減りますが、土圧が軽い構造ですので支持地盤が弱い場合に有効です。

②重力式擁壁
重力式
=下部コンクリートを厚くして、重量でもたせる擁壁です。鉄筋は無筋です。
 ①の間知擁壁に比べて有効な土地活用が可能ですが、支持地盤が弱いと沈下の恐れがあります。

③石積擁壁
石積
石積に裏込めのコンクリートを施工します。
石材・積み方のチョイスで多様なデザインが可能で、美観としては非常に優れた擁壁になります。
ただし、費用は高めで、手間がかかるため工期も比較的長期です。
そのため、あまり高い擁壁向きではないと言えるかもしれません。

④鉄筋コンクリート擁壁
鉄筋コンクリート
=いわゆるRC擁壁です。鉄筋とコンクリートという性質上相性の良い組み合わせ(←次回解説)の擁壁で す。擁壁の高さによってコンクリート量・鉄筋量が決まっており、一定の強度を保つように構造計算されています。どの様な地盤でも対応ができ、施工性が高いので現在最も多く用いられる擁壁です。

では、次回は最も普及する④の鉄筋コンクリート擁壁についての解説をしていきたいと思います。

                                             田口 進

第1回解説ありがとうございました。
安息角は外構工事で法面をつくる場合に重要になります。
安息角は30°ですので、中学校で習う1:2:√3の三平方の定理に当てはめます。
つまり宅地までの高さが1mであれば底辺は√3(約1.73m)、斜辺は2mで安息角の法面が作れるということですね。法面植栽で緑いっぱいのエクステリアをお考えの方は是非御参考に
弊社法面植栽の施工事例はコチラ
では、次回の「極上コラム」をお楽しみに

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